2022/9/6 記事を更新しました。
cozy.west
世界をも席捲!スニーカーカスタムアーティスト〝cozy.west〟
まさにパーフェクトと呼べる彼の才能と個性的なキャラクターは、活躍の場を広げ、著名人からの依頼が後を絶たない。
彼の作品の大きな特徴は、単なるアートとして楽しむものではなく、靴は「履くもの」であるという考えを前提としているため、彼が施したスニーカーは激しいストレスがかかっても簡単にダメージを受けたりはしない。
その証拠として、依頼主の中には有名なアスリートも顔を並べている。
数々の作品を見て楽しめるインスタグラム @cozy.west
前代未聞〝8人同時プロデュース〟
今春、そんなcozy.westの周囲が、いつにも増して騒がしくなった。
フォロワーが見守る彼のインスタグラムに、1日おきに投稿される計8枚のスニーカーカスタムの写真。
メンション(写真に関連する人物をタグ付けすること)を辿ると、彼が声をかけ集まったスニーカーカスタムチーム〝塗馬鹿野郎一代(ぬりばかやろういちだい)〟(以下:塗馬鹿)のメンバー達の作品であることが分かる。
なんとcozy.westは、同時に8人の作品をプロデュースするという前代未聞の企画をやり遂げていたのだ。
日本一のスニーカーカスタム集団を目指す〝塗馬鹿野郎一代〟
〝塗馬鹿野郎一代〟とは、『塗装で日本文化を盛り上げ、職人を育成し、未来につなげたい』というcozy.westの意志に賛同するスニーカーカスタム集団だ。
もともとは、〝京都靴馬鹿野郎一代〟という集団を率いており、ストリートファッションを中心にアパレル販売にも力を入れていた。
その売り上げの一部をオレンジリボン(児童虐待防止運動)へ寄付するなど、チャリティー活動にも積極的で、職人だけでなく子供たちの未来をつなげる活動もしているというから頭が上がらない。
そんなcozy.westのもとに「カスタム界が低迷しているから、cozyさんの力で盛り上げてくれないか?」という声が届き、カスタムにフィーチャーした塗馬鹿を立ち上げ、現在に至る。
メンバー達はcozy.westを師として仰いでおり、そしてcozy.westも仲間想いで知られている。
相互が共にリスペクトし合っていることが感じ取れるのも、彼らの魅力だ。
スニーカー好きであれば、ぜひ一度「#塗馬鹿野郎一代」で検索し、その世界観に浸ってほしい。
cozy.westの底知れぬ野望と夢
今や、スニーカーカスタム業界でcozy.westを知らない人はいない。
しかし、彼の技術は知られていても、〝伝道師〟として他者に教える力量も持ち合わせていることは、あまり知られていない。それが彼にとってフラストレーションでもあった。
そんな欲求を爆発させ、さらに自分自身を追い込むために立ち上がったのが今回の企画。
彼の熱意に賛同した8人が集まった。
驚くことに、塗馬鹿メンバーの全員がプロではなく、趣味でスニーカーカスタムを行っている若者達だ。彼らのインスタグラムにも、日頃からオリジナルのカスタムスニーカーが投稿されている。
cozy.westいわく〝技術も才能もアマチュアレベル〟というが、素人目から見れば全員かなりの実力者揃いだ。
そんな彼らでさえも、今回の企画は「かなり厳しく、過酷な挑戦だった」と口を揃えて言うほど、cozy.westの熱情は凄まじかった。
塗馬鹿メンバーそれぞれの希望をヒアリングし、cozy.westがデザインしたものを基にメンバーがカスタムを施した。
「この8足は俺が作ることもできた」とcozy.westは言う。しかし、自身は指導者という立場に徹し、メンバーの技術とスニーカーカスタムへの情熱を信頼し、指1本貸さなかった。
製作期間は約2~3カ月。それぞれが本業も抱える中での挑戦に、cozy.westは眠れない日が続いた。
彼のキャリアを以てしても、これまでメンバーが経験したことのない技術をレクチャーするのは並大抵のメンタルではできない。
それでも彼が最後までやり遂げられたのは、メンバーからの底なしの信頼やリスペクトに応えたいというストイックさであり、それこそが、彼の真骨頂である。
そんな8人の〝異次元〟な作品をご覧いただきたい
cozy.westは真っ直ぐな人
塗馬鹿野郎一代のメンバーも、ちゃんと人を見られる人間が揃っているから、年齢関係なく対等に付き合える。
cozyさんにも塗馬鹿野郎一代にも感謝しかない。
Instagram @typhoon_koji
ヒールの心電図は、cozy.westとのバイブスが重なった証
みんなの最高の作品を作ろうって言ってくれて、各個人に対して一生懸命にぶつかってくれました。
優しいcozyさんのような作品が生まれました。
Instagram @sode11111
やるのは自分、動くのも自分
cozyさんからの全力サポート・叱咤激励、塗馬鹿野郎一代クルー達の後押し、全員の絆がなかったら絶対に世に生まれなかった。
だから仲間のことが素直にリスペクトできる。
そんな時間を過ごせた今は感謝の気持ちでいっぱい。
Instagram @marto_man
自分だけだったら絶対に作りきれなかった1足
cozyさんは、塗馬鹿メンバー1人1人のことをよく分かっている。
だからこそ妥協もなければ、遠慮もない。
すべてのアドバイスに驚きと期待、まったく異論がない。
それは僕らを分かってくれている証拠。
Instagram @hashidaidan
カスタム熱を蘇らせてくれたcozy.westは本物
世の中〝本物〟の人間はそんなに多くはない。
色んなことを指し示してくれる、これが表舞台に上がっていく人。
本物に出会えた自分は恵まれている。感謝。
Instagram @savage_sneakers19
cozy.westは、何度も0から1を作り上げる人
cozyさんからのアドバイス、𠮟咤激励があったおかげで作り上げることができました。
cozyさんに、塗馬鹿野郎一代メンバー全員に「ありがとう」の気持ちを。
Instagram @mo_ri_kicks
仲間を、人を、自分を想う気持ち
ありがとうの一言。
金じゃ変えられない、人の気持ち。
繋がり、縁をこれからも大切に。
Instagram @shimoshimo00
「真実の目」ブレんと、リアル見ていこう
塗馬鹿野郎一代にいて、自分だけでは味わえない世界や経験をさせてもらっている。
失敗しても苦しくなっても、リアルだけは見ていたい。
塗馬鹿野郎一代は、リアルを見ているメンバーの集まり。
「ありがとう」という感謝の気持ち、そしてスニーカーやカスタムを通じての「繋がり」にも感謝です。
Instagram @naotaro157
〝伝道師〟cozy.westが伝えたかったこと
企画をやり遂げたメンバーから溢れ出るのは、cozy.westや仲間への尊敬の念だ。
当然、〝師匠〟に伝授されれば感謝を口にするのは普通かもしれないが、スニーカー1足をカスタムしたことにより、彼らからはまるで人生観まで変わってしまったかのような達成感を感じることができる。
cozy.westは今回の企画で自身の技術を無償提供しているわけだが、技術以上のものを彼らに伝えたかったのかもしれない。
大人になってから人生観が変わるほどの体験をするとは、彼らの生き様が実に羨ましい。
昔と比べ、若手の職人が育ちにくいということが危惧されている現代。
時代背景や環境もあるが、師匠と呼ばれる存在が「失敗を恐れ、弟子に仕事を任せない」ことや、「弟子に追い抜かれる恐怖から教えない」ことが原因ではないかと、若者世代は考えている。
片や、そんな若者が、汗水垂らして泥臭く生きることをカッコ良いと思えない時代になったことも大いなる理由ではないだろうか。
スニーカーカスタムというニッチな世界において、若い世代からの勢いは脅威に感じるはずだ。本来であれば、自身が生み出したテクニックを簡単に他言したくない職人が多い中で、cozy.westは「ペイントの楽しさと技術を繋げていきたい」と以前から語っていた。
それは純粋にカスタムの魅力を伝えたいだけでなく、cozy.westという存在は次世代に繋げていくべき存在であることを彼が自負しており、その技術を繋げていく力があることを証明できるからこその自信が満ち溢れているからではないだろうか。
今回の企画を終え、その力を実証することができた。今後は塗馬鹿という枠を超え、全国規模で〝伝道師〟として拡げていきたいと彼は考えている。
アート、ストリートファッション、音楽… cozy.westはカスタムスニーカーを通じて、日本の未来を支えていく。