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【cozy.west_vol.01】カスタムに捧げた半生と、アブノーマルな魅力の原点。

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TARRAGOオフィシャルアンバサダーの素顔を読み解く新企画が発動!

スペイン・TARRAGO(タラゴ)社が製造・販売を手掛ける“TARRAGO”。

「品質の良さ」、「機能性の高さ」、「手軽に使える商品ラインナップ」を誇るシューケアブランドは、欧米を中心に流行中のスニーカーカスタムに特化した【スニーカーペイント】も開発している。

 

そんなTARRAGOには、全世界に数名しか存在しないオフィシャルアンバサダーがおり、2名の日本人アーティストも名を馳せている。

 

そのうちの1人であるcozy.westは、超越したカスタム技術で世界を席巻し続けているが、そのアブノーマルな魅力はベールに包まれており、世間ではあまり知られていない。

しかし、彼の発する周囲の人達を惹きつける言葉や存在感をどうにかして形として残したいと我々は考え、今回の企画に辿り着いた。

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京都在住のスニーカーカスタムアーティスト。

国家資格の一級塗装技能士という肩書を活かした類を見ないパフォーマンスで、プロとしては25年以上のキャリアを誇り、日本でのスニーカーカスタム界のパイオニア的存在。

傑出した腕前とカリスマ性あるキャラクターでメディアにも多数出演し、著名人からのスニーカーや高級車のカスタム依頼が後を絶たない。

2021年からは、スペイン発のシューケアメーカー・TARRAGOの本国公認アンバサダーに就任し、日本総代理店である株式会社ルボウが全面的にサポート。

スニーカーカスタムには、TARRAGOの塗料『スニーカーペイント』が愛用され、ハイクオリティな作品を生み出し続けている。

果たして、cozy.westとは一体どんな人物なのか?

「Sneakerscare」公式サイトが、cozy.westに直接インタビューを遂行。カスタムに捧げた半生と、誰も知らない素顔に迫る!


 

自分のコレクションに大物が食いついてきた

―cozy.westは以前より、アーティストだった母親の影響で幼少期からアートに触れていたと公言しているが、どのようにしてスニーカーカスタムと出逢い、プロとしてのデビューを果たしたのだろうか?

「15年くらい前までは、今と違う名前でプロとして活躍していて、雑誌とかに載りまくっていたカスタマイザーだった。ラッパーのPVに俺の作品が登場したり。

94年のワールドカップで、サッカーメキシコ代表のゴールキーパーのホルヘ・カンポスが、自分で服やグローブをカスタムして身に着けているのを見て、その頃からスニーカーカスタムを始めたけど、スニーカーに限らず、車やバイク、なんでも塗ってた。

 

スニーカーカスタムがメインになったきっかけは、5年くらい前、仕事のために始めたインスタグラムに、たまたま自分のコレクションを載せたら日本の大物が食いついてきて、フォロワーが一気に増え始めた。

だから、この世界のパイオニアっていうのもそういう事実が証明していて。

それが日本のカスタムシーンに拡がって、『カスタムってなんやねん』って盛り上がった。

 

今でも、スニーカー以外のカスタムもやっている。バイク、車、なんでも依頼が来たらやってるで。今は高級車とかの修理がメインやけど。

インスタグラムはあくまでも、スニーカーカスタムアーティストとしての俺を載せているのであって、全部を載せているわけじゃない。最近でこそ、自分のプライベートを載せるようになったけどな。

ストリートで有名な人と絵を描いたりもしているけど、相手がSNSをしていない人だったら表に登場させへん。」

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―あらゆる方面でのカスタマイザーとして活躍していたcozy.westだが、あるきっかけで、スニーカーカスタムの世界で旋風を巻き起こすこととなる。

「3年くらい前までは、インスタに1年に1足載せるか載せへんかくらいのペースだったけど、今の塗馬鹿野郎一代のメンバーに『cozyさん、助けてくれ』ってお願いされたから、塗馬鹿というチームを作って、そこからは今のペースで作り続けている感じ。」

塗馬鹿野郎一代とは、『塗装で日本文化を盛り上げ、職人を育成し、未来につなげたい』というcozy.westの意志に賛同するメンバーが集ったスニーカーカスタム集団である。

彼らの活躍を取り上げた記事も、ぜひ一読していただきたい。

 

▼cozy.westと塗馬鹿野郎一代の関連記事はこちら

【スニーカーカスタム】cozy.westが8足同時プロデュースに成功


 

図工の先生に怒られながら描いた少年時代

―ところで気になるのが、cozy.westがリスペクトして止まないアーティストでもある母親の存在。一体どんな女性なのだろうか?

「おかんの描くアートもめちゃくちゃカラフル。おかんは明るくて、礼儀にめっちゃうるさい人。そういう面でも、おかんの影響を受けているかもしれんね。

子供の頃、住んでた家のシャッターに、ブワ~っとおかんの絵が描いてあった。

その影響で俺も絵ばっかり描く子供だった。ドラゴンボールとかアニメの絵から入って。

小さい時から絵が上手いとは言われていた。でも、当時から色彩感覚が優れていたかは分からん。

こないだ会った人に、“絶対色感”って言われたけどよう分からん(笑)。ほんまか?知らんやん、そんな言葉。

でも、確かに色のちょっとした違いは人より分かるし、色についての会話が他人とできひんからそうなんかな。

アートを勉強したことはない。ほんまに持って生まれたもの。

昔の職人は、こいつには何が向いているかって師匠が見極めはんねん。16歳で弟子入りした師匠に、『お前は塗装やれ』って言われて。昔からずっとそんな感じやった。」

―少年期から様々な出逢いがあったようだが、アーティストとしてのcozy.westを形成した人物は、母親以外にいるのだろうか?

「いない。地元が外部と接触がないような町やったから。ほんまに地図に載らへんようなスラム街みたいなところで。

みんな自由にやりたいことやっていて、そんな中で、俺はサッカーやりながら絵を描いたり、悪いことしてただけ。

強いて言うなら、おかんが毎月でっかいイラストレーターの本を買っていて、それを暇があったら見てた。

おかんが部屋で見てたから、俺はペンや絵具を持ってきて隣で描いてた。それを兄弟全員が見て育った。だから、兄弟も全員絵が上手い。

 

子供の頃は、やればやるほどなんでも賞を取って、全部海外に行った。

小学校とかで優秀だった作品は、全部海外に飛ばされんねん。で、戻ってけえへんから、自分の作品をもう一回見ることはなかった。

『架空の物語をイメージして描きなさい』とか言われて、図工の先生に怒られながら描いた作品が賞を取ったり。

筆で色をなじませなアカンとか先生は言うやん。でも、俺はどうしても爪楊枝で描きたかった。爪楊枝で描くとダマになるやん。

昔あったモコモコペンみたいな、あんな風に立体的にしたかったんやろな。」

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―そんなアーティスティックなDNAは、自身の子供達にもしっかり引き継がれている。

「俺の小学生の息子もやばい。ビックリする物を作る。普通の子供って、紙粘土で何かを作れって言われたら分かりやすい物を作るやん?

息子は、ヤギが草を喰ってる瞬間の顔面を作ったんやけど、めっちゃヤギやねん。どっからの角度から見てもヤギ。やばいくらいヤギ。

それは大事に何年も飾ってある。あれは凄かったな。」


 

TARRAGOを使っているのは「好き」だから

―今や数多くの傑出した作品でカスタム界を聳動させているが、cozy.westになる前身時代も含め、仕事として初めての作品はどんなものだったのか?

「プロとしてお金を貰いだしてからの作品だと、20歳くらいの時に地元のラッパーのPVで使う四輪バギーを一人で触らせてくれって言ったやつかな。めっちゃアンダーグラウンドな作品。」

―そんなプロのカスタムアーティストとしてのキャリアは25年以上となるcozy.westがTARRAGOと出逢ったのは、今から2年前のことだった。

「2年くらい前に、塗料のマニアから『使ってみて』って紹介されたのがTARRAGOのスニーカーペイントだった。

色んなカスタムの塗料を今でも試しに使っているんやけど、その中でもTARRAGOが一番しっくり来た。

ほんまに自分が好きっていうだけでTARRAGOを使っている。」

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―なぜ、TARRAGOのスニーカーペイントを好きになってくれたのだろうか?

「普通に良いって思った。

世間では、他のメーカーの塗料を使ったカスタムスニーカーが“不自然じゃないカスタムペイント”として評価されていたけど、プロの目から見たらそれは不自然にしか見えなくて、そういうのが評価される世界だったから、これまでは大して作らへんかった。

でも、それを見てられへんくって、俺が塗馬鹿にハウツーして、下手なヤツがどの塗料を使っても上手く塗れるように広めた。

そういうことをやっていく中で、『失敗するんですが、どうしたらいいですか?』って個人的に教えてほしいっていう人が増えて、そういう素人さんが失敗せえへんようにしてあげたい気持ちが強かった。それにベストなのがTARRAGOだった。

 

俺は、他のメーカーの塗料でも使いこなせるし充分なんやけど、素人さんに優しいのはTARRAGOだと思った。TARRAGOは失敗しにくい。色が染まりやすいし、なじみやすいし、乾燥しやすい。素人さんがストレスを抱えやすい部分がクリアしやすい塗料だった。

プロは『この色をこう使ったらいい』とか分析ができるけど、素人さんは分からへんねん。

例えば、コカ・コーラを買おうとして自販機に120円入れて、飲んだらコカ・コーラじゃないと困るわけやん。でも他のメーカーを使うと、コカ・コーラを買ったつもりが飲んだらコーヒーやんっていう感覚になってしまうねん。そうならずに、素直に表現することができるのがTARRAGO。」

―そんなTARRAGOのスニーカーペイントを使って、初めて作ったカスタムスニーカーは?

「オレンジのシェイクか、カモフラのズームフライト。」

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―このような異彩を放つデザインは、どのようにして思いつくのだろうか?

「それな、こないだのイベント(※阪急メンズ東京のポップアップ)でも聞かれたけど困んねん。一回一回切り替えたくて、全部忘れるようにしているから。

言葉やなくて、物を見たら分かるやろって考えやから。ベラベラ喋るのはアートでも何でもないやん。

簡単に言うたら、依頼してきたご本人様と会って、2~3ヵ月考えて思い浮かんだのがソレやから。それ以上でも以下でもない。

会える人なら直接会って、飯食って、遊んで、頻繁に連絡して、そこからイメージしたものを作品に反映させる感じ。ずっと作品のことを考えている。依頼者に会った瞬間から、『どんな人かな』って、そこから始まるから。」

 

※【展示イベント開催】cozy.westのカスタムスニーカーが、阪急メンズ東京に大集結!

【展示イベント開催】cozy.westのカスタムスニーカーが、阪急メンズ東京に大集結!

―頭の中でイメージした空想を形にすることは、一般人には到底不可能。どのようにして具現化しているのか?

「思ったことを形にするってできへんってよく周りに言われるけど、そんなこと言われても知らんやん(笑)。それは俺の感性なのか、何なのか自分でも分からへん。

色の見え方も人と違うから、黒が暗いとは思っていなくて。アーティスト達とは『黒こそが虹色や!』って会話をしたりする。周りは『は?』ってなるけどな。

空が常に7色に見えていて、紫外線が見えている感じ。それを実際に車とかをカスタムする時にプラスしている。でも、それを言葉にするのは難しいねん。感覚の問題。

 

世の中には現実的で、あること以上を膨らませへん人もいるからな。

でも、俺も何食っても旨いって言ってしまうから一緒やしな(笑)。目や耳は優れているけど、ベロに関しては全然アカン。」


 

カスタムのイメージが思い浮かばない時は、わざと失敗する。

―1つ1つの作品に精魂を注いで向き合っているが、作品を手掛けるにあたり、感性のコンディションはどのようにして磨かれているのだろうか?

「2~3ヵ月に1足のペースで作っている。昼でも夜でも、寝ずにずっとやっている。ずっと考えている。常にリュックに入れて持ち歩いてるから、思いついた時に作業する。

もちろん季節や天候は左右すると思う。俺は夏の晴れた日が好き。そういう日にインスピレーションを受けることが多い。

自然が好きだから海行ったり、山行ったり、空気が澄んでいる時間に行くと人もいないし、自分の世界に入れるから。動物も好きだから、愛犬に触れて感じたり。

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―どの世界でも、走り続ければスランプに陥ってしまうこともある。cozy.west流・スランプからの脱出方法を聞いてみた。

「俺はずっとスランプや。サッカー選手としてもハイクラスで競技してたし経験が長いから、スランプは何度も経験している。

人は平常心を保てへんからスランプに陥るやんか。色んなことを考えすぎて、本当の自分より先走ったり遅れたりするとスランプになるから、常に平常心で、例えば怪我をしていても、これは復帰した時にさらに強くなるためなんやと。そういうポジティブな考えやから。

死なん限り前に進むと思っているから。進む先で自分がどうなっていたいか。焦る時もあるけど、焦っても一緒やん。

 

もう一つは、わざと失敗する。カスタムのイメージが思い浮かばへんってなった時は、靴をバン!って刺激与えたら、そこからイメージがぶわっと出てくる。

その時に、ニューロンとシナプスが繋がっていくような感じで、頭の中でパズルがピタッとハマる時がある。

 

人が思っているネガティブはネガティブじゃないと俺は思うねん。それはマイナス思考なだけ。

ポジティブというのは、ネガティブがないとポジティブにならへん。俺はネガティブを経験したからポジティブもあるって分かるから。昔から色んなことがありすぎたから分かる。

 

成功者というか、アーティストやアスリートは、みんなネガティブからポジティブになった人。自分に厳しいから。

サラリーマン的な感覚の人は、時間が過ぎていけばそれでいい。家に帰れるとか、お金がもらえるとか、その感覚だけやんか。

ずっとサイクルが同じやけど、アーティストやアスリートは一瞬一瞬を生きているから、もうその感覚じゃないねん。でも、ほんまの恐怖はみんな知ってるんちゃう?

俺からしてみると、何も意見できひんとか、やりたいことがやれへんとか、そういう風になる方が怖いけどな。」


 

“アート”に逃げへんのが俺のやり方

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―最後に、cozy.westをリスペクトし、カスタムを始める人も増えているが、そんな人達へのアドバイスを。

「好きなように塗ったらいい。まず塗りたいなと思うことが大事やから、塗りたいなって言って塗ってほしい。

できれば、そこでTARRAGOを使えばダメージは減る。

やりたかったらやれ。やって現実を見て、うぬぼれずに凄い人を見て学んでいけば、成長できるからそれでいいと思う。子供と同じ感覚で、やりたいと思えることが大事。

それで俺を見てくれるのなら俺がアドバイスするし、辛口にはなるけど、ちゃんと言うことは言うし。

実際、素人集団だった塗馬鹿が、今では世間でズバ抜けて上手い集団になっているのは見て分かると思うねんけど、1年くらいであそこまで成長させたし、俺を追いかけてくれたら上手くなるよ。

 

弟子は取ってへんけど勝手に集まってきた。サブスクをやれって周りに言われたけど、俺はカスタムを広めたいという気持ちがあるだけやから、無料でインスタライブとかでハウツーをしてきた。

それで日本のカスタム界は一気に変わったんやけど、付いてきているヤツはズバ抜けて上手い。絵が上手いとかじゃなくて、元々こうだったのかと見間違えるように塗ることにこだわってるから、クオリティが違う。

初めはみんな派手なパフォーマンスを追いかけてガチャガチャにするけど、よく見たらアカンっていうのあるやん。履いた瞬間に割れたりしたら話にならへんやん。

スニーカーカスタムという分野に関しては、TARRAGOの塗料も良いし、俺の技術もズバ抜けてると自分で思っている。

 

素人さんでは色合わせは難しい。色というのは全部を混ぜていったら絶対灰色になるから、それが分かっていたら簡単にできんねんけど、素人さんのことを考えたらカラーバリエーションが多くないと優しくない。それをTARRAGOにお願いして、バリエーションを増やしてもらったから良かった。

塗馬鹿も『どう合わせたらいいですか?』って聞いてくるけど、そこでアートで逃げさせへんっていうのが俺のやり方。

アートって言ったら下手でも何でもアリになるやんか。そこに逃げへんのが俺らやから。」

アブノーマルでアウトサイダー…。cozy.westに対してそんなイメージを持つ人は多いかもしれないし、そのイメージは決して的外れではない。

しかし、その反面、非常に気遣い屋で繊細すぎる側面が、今の彼を形成し、周囲の人達に愛されていることをインタビューを通して知ることができた。

 

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