あまり知られていない、スニーカーペイントの汎用性
TARRAGOが誇るスニーカーカスタム専用塗料・スニーカーペイント。
スニーカー以外にも、バッグや衣料を自分だけのオリジナルアイテムに変身できるアクリル系水性顔料を当サイトでも何度もご紹介してきました。
日頃、絵の具を使うことに不慣れな人でも使い方さえマスターすれば、驚くほどクオリティの高い作品が作れてしまうので、スニーカーカスタムを始めたばかりのビギナーにも大変おすすめなのですが、
実は、使い方次第では、私たちの生活に欠かせない物となるかもしれないマルチプレーヤーなのです。
その理由は、カスタムだけでなく、皮革製品の補修もできてしまうということ!
“カスタム”と“補修”の違いがよく分からないよ!というお声が聞こえてきそうなので、簡単にご説明すると、
“カスタム”は、既存の商品に手を加えて、自分好みのオリジナルな物に作り変えることを意味します。
リメイクやDIYという言葉を使うとイメージがしやすいかもしれません。
それに比べ“補修”とは、壊れたり、傷んだりした部分を繕うことを意味します。
リペアやリカラーという言葉が分かりやすいですね。
この似ているようで全く異なる2つの目的を、スニーカーペイントは圧倒的な実力を発揮して叶えてくれる逸材なのです。
皆さんのご自宅にも、傷や色あせの気になる皮革製品はございませんか?
今回は、驚くほど簡単に、新品のような見た目を取り戻す方法をお教えします!
▼スニーカーペイントって何?という方は、これらの記事をご一読ください!
このような革小物、ありませんか?
Before/補修前
LANVIN en Bleuの財布を補修します。
バッグを持ち歩かない持ち主さんが、パンツのお尻ポケットに入れて使用していたため、表面の塗装が擦れて剥げてしまっています。
せっかく綺麗なミントグリーン色なのに、地の革の色が浮き出て汚れているようにも見えてしまいます。
コンディショナーを塗布
①下処理
スニーカーペイントを塗布する前に、塗布面を整えてペイントの定着を高めるコンディショナーで全体を拭き取ります。
汚れだけでなく、もともとお手入れで塗っていたクリームなどが付着していると、スニーカーペイントの定着が悪くなるので、必ず下処理は疎かにせず行いましょう。
スニーカーペイント/#805.YEEZY
②スニーカーペイントの色を決める
60色以上あるカラーバリエーションの中からピッタリな色を見つけます。
この財布を一目見た時からピンと来ていた#805.イージーですが、実際に比べてみると若干青みが強かったので、ミントグリーンに近づけるため黄みを加えることにしました。
スニーカーペイントは何色合わせてもOKなので、希望の色を無限に作ることができます。
よく「色の作り方が分かりません」というお問い合わせが届きますが、これに関しては「慣れる」しかないかもしれません…。
筆者は色彩検定を取得した経験が今となって少し役立っていますが、それを以てしても色の世界は奥が深すぎて、複雑な色合いを作ることは相当難しいです。
しかし、子供の頃に遊びながら学んだような、赤色+青色=紫色、青色+黄色=緑色くらいの方式を知っていれば、失敗を繰り返しながらいずれは辿り着くことができるので、諦めずにトライしてみてください。
ちなみに、TARRAGO本国の公式サイト・tarrago.comでは、COLOR MIXERSという希望の色を作るために何色と何色を合わせればいいかが一発で分かる何とも便利なツールがあるので、どうしても難しい人は試す価値ありです!
SNEAKERS PAINT MIXERS
スニーカーペイント/#114.SOFT YELLOW
ということで、まず#114.ソフトイエローと混ぜてみましたが、緑みが強く出ました。
良い線ですが、もう少しだけマッチングする色を目指して、今度は#750.パステルオレンジと混ぜてみたところ…
スニーカーペイント/#750.PASTEL ORANGE
想像以上にドンピシャな色を作ることができました!
この複雑な色を2回目で作れたのは上出来です。
スニーカーペイント/コーティング・薄め剤で希釈
今回補修する財布が、表面にわざと凸凹するシボ加工が施されているので、スニーカーペイント コーティング・薄め剤で希釈して粘度をさらにサラサラにしました。
そうすることで薄塗りがしやすく、シボを埋めすぎず塗り重ねることができます。
この財布には、
#805.イージーが5
#750.パステルオレンジが4
コーティング・薄め剤が1
の割合で調合した色がピッタリとなりました!
③塗布
筆で塗布していきます。筆の種類は使いやすいものをお選びください。
今回の財布のように面積が小さく、細かい箇所の多い物には、尖っている穂先のみを使って、神経も研ぎ澄ませて丁寧に塗っていきましょう。
Before/塗布前
After/塗布後
ステッチ
ロゴ
自然な表面に仕上げるコツは、ペタペタと刷毛でペンキを塗布するような塗り方ではなく、歯磨きのように小刻みに筆を動かすと、シボに埋まり、筆の跡も残りません。
塗布していくと何度も塗料を筆に取りたくなりますが、スニーカーペイントは非常に伸びが良いので、少量を塗り伸ばすことを意識してみてください。
1回塗布しただけではムラがあるので、乾燥させながら塗り重ねます。
乾燥には、ドライヤーの温風を30cmほど離れた場所からかけて、熱で定着を高めます。
温風をかける長さは30秒程度でOKです。あまり熱を加えすぎると、革にダメージがかかってしまうので注意してください。
30cmほど離れた場所からドライヤーの温風をかける
マットメイカーを優しく塗布する
After/補修後
完成しました!
新品同様に復活して大満足です。
他の塗料ではなかなか実現できないシボをそのまま活かした仕上がりは、薄づきが特長のスニーカーペイントだからこそできるスゴ技です。
メリット・デメリット
補修に、スニーカーペイントを使用することのメリットは…、
・カラーバリエーションが豊富(全68色/2022年11月現在)
黒や白などベーシックな色はもちろんのこと、ビビッドやパステルなど、複雑な色の物でも対応できる色数の多さで、諦めていた傷も復活します。
・屈曲や摩擦に強い
柔軟性のあるアクリル系水性顔料は、折り曲げる動作の多い財布やバッグ、衝撃を受けやすいスニーカーに塗布しても、ひび割れがしにくくて丈夫です。
一般的に売られている塗料の中には、乾燥後にパリパリと卵の薄皮のように剥がれてしまうものがありますが、スニーカーペイントはそのようなことは一切なく、塗布面を触っても違和感はゼロ。もちろん、完全に乾いた後は色移りもしません。
・ビギナーさんにも使いやすい
サラサラした塗料は、塗り伸ばしやすいのにあまり液垂れもしないので、あまり絵の具を使い慣れていない人でも非常に扱いやすいです。
伸びの悪い塗料だと、何度も塗り重ねることで厚みが出てしまい不自然になったり、筆跡がついてしまったりと補修箇所がバレバレになりますが、スニーカーペイントならどこを補修したのかよく観察しても分からないくらいに自然な仕上がりです。
補修に、スニーカーペイントを使用することのデメリットは…、
探しましたが、今のところ見つかりませんでした!
補修してから数日が経過しましたが、持ち主さんいわく何も不便なことはなく、塗装も剥がれていません。
引き続き使用してもらって、何か気付きがあればこちらの記事に追記したいと思います!
強いて言うならば、ピッタリの色を見つけることに最初は苦戦するという点です。
1色でマッチングすればいいのですが、今回のように調色が必要だったり、濃淡のある複雑な色合いの補修は難易度がアップします。
まずは、簡単にできそうな物から補修に挑戦し、徐々にスキルアップしてみてくださいね。
今回の記事では、スニーカーペイントの補修力についてまとめてみました。
カスタムだけじゃない優秀な塗料なので、ぜひ気になる方はチェックしてみてくださいね!
また、こちらの記事をさらに分かりやすくしたYouTube動画も近日公開予定なので、公式YouTubeチャンネル『ShoesLife-シューズライフ-』のチャンネル登録・ベルマークをオンにして公開をお待ちください♪
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